希「ウチの喫茶店の味は」

また新しい名作が

コーヒーには、というより取り分けその成分であるカフェインには、それこそ毒か薬かを医学的にもお茶の間のワイドショーでも論ぜられてしまうほど様々な方面で賛否が付いて回って来る飲み物であるが(まあ中には缶コーヒーと喫茶店で飲む純粋なコーヒーは別な飲み物で、後者の方に生命を脅かすような毒効は無い!と声高に述べる専門家も存在するらしいが)、この作品を読んだあとコーヒーがとても欲しくなる。というのは陳腐かな。
しかし毎日の健康のためとか、魔剤効果を狙って今日を乗り切ろうとするだとか、そういう自分の為の飲み方ではなく、誰かへの思いに耽けて、そこにいない誰かに乾杯を示すようにコーヒーカップを小さく掲げて一人静けさに身を窶しながらコーヒーを飲みたくなる。
そんな作品。